「君とメイが同じ大学だったらいいのになあ。そしたら僕は、一度に二人ともに会いに行けるだろ?」

彼らしい、大胆で自分勝手な妄想に苦笑する。

「その場合、君は同じ大学に来ないの」

「今から勉強したらいけると思う?」

「無理だろうね」

おい、とケビンがスウを肘で小突いた。

「残念だけど、僕とメイは学びたい分野が違うから、同じ学校にはならないだろうね。それに彼女、遠くに留学するんじゃなかったっけ」

「そうだったかも」

「ついて行くとか言うんだろ」

「もちろん」

その瞳は光を湛えて、遠くを見ていた。

「君も来てよ」

「行かないよ」

僕はどんな立場でついて行くっていうんだ。

「大学なんてたった数年なんだから、気にすることないさ。人生は長いからね。学校が同じじゃなくても、いつかまた家が近くなったりするかもしれない」

「そうだな……職場が同じになるかも」

「僕たちが同じ場所で働くの? 医者と、博士と、……ヒーローが?」

悪いけど全く想像できない。しかし隣のヒーロー志望はにやりと笑って、

「その組み合わせならあれだ、映画によくある……悪を裁き正義を成す秘密組織!」

突飛な未来予想図に、二人して笑った。