<aside> <img src="/icons/alert_gray.svg" alt="/icons/alert_gray.svg" width="40px" /> ※アポニアとスウの間に特別な感情はないですが、ちょっと接触があります

※精神感知型融合戦士ってエロいなと思ってる人が書いてます

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「あなたと私はよく似ている」

宣告のように重く、澄んだ声が頭上から降る。スウは書類から顔を上げてアポニアを見た。いつの間に隣に来ていたのか、席についたままのスウをアポニアが静かに見下ろしていた。

ここは至深の処ではなく、会議室だ。

英傑達を集めた会議は早々に終わった。誰にとっても面白くない議題ばかりだったからだ。第十三律者に纏わる事物の後始末や、欠けた英傑第二位の仕事を誰が埋めるか、等々。

他の者は既に部屋を出ていて、二人の他には誰も残っていない。しんと静まり返った空間に響いた声が残響まですっかり消えたあと、やっとスウは返事をした。

「ある意味ではそうかもしれない」

否定はしない。力の本質は異なれど、結果だけ見れば、両者とも未来視の能力を持っている。

また別の角度から見るなら、二人には似た失敗の経験があるとも言えるだろう。崩壊病を患った人々を救おうとして救えず、自分だけが助かった。勿論これは細部を無視した見方であり、詳細は全く異なるのだが。

スウの曖昧な肯定にアポニアは頷いて、ゆったりとスウの隣の席に腰を下ろした。

「私たちは人生の脚本を渡された役者に過ぎない」

彼女はすっきりと背を伸ばして、まるで詩を読み上げるかのように朗々と、淡々と語った。

「未来が見えているのに、変えられない。定められた結果に行き着くたび、自分がいかに無力かを思い知らされる」

その声にはくっきりと絶望の色が染みついていた。スウが話の主題を察すると同時に、アポニアが切り出す。

「──こうなることはあなたも知っていた、そうだよね」

スウは沈黙する。肯定を意味する沈黙だった。